イーブーの観察日記

ハゼを中心とした雑多な記録です

普通種に栄光あれ! Part 2

最後の更新はなんと2年前。日記などと題しておりますが、もはや年報ですらありません。この空白の2年間に大学院修了、就職など様々なことがありましたが、このブログにはあまり関係のないことです。という訳で本題に移ります。 今回は、普通種たちにスポット…

普通種に栄光あれ! Part 1

ついに終わってしまいましたね、上半期。皆様にとってこの半年間はいかがだったでしょうか? 私事ですが、この半年の間に就職活動も一先ず無事に終えることができ、来年度から社会人としとして生きていくこととなりました。学生でいられる時間、そしてこの沖…

”一針入魂” 思い出のハゼに思いを込めて

2021年ももうじき半分が終わってしまいますね。実に色々なことが起きた怒涛の半年間でした。なんだかんだやっているうちに前回の更新からだいぶ経ってしまったので、久しぶりに更新したいと思います。 今回は何か目新しいハゼが採れたわけではありません。と…

ニセツムギハゼ

2021年も始まってから既に4週間が経ってしましましたが、今年初更新です。新年早々沖縄県でも新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言が発令され、なんとも幸先の悪いスタートですが、今年も素晴らしい鯊年にしていきたいものです。 さて今回のハゼは…

渓琉戦隊ノボレンジャー

最近オンラインG学会に向けた発表準備に追われ、私のただでさえ小さい脳が委縮気味なので、ネタ回を書いて気分転換です。今回は琉球列島の渓流に生きる逞しき戦士達をおふざけ半分で紹介します。題して "渓琉戦隊ノボレンジャー" です! 琉球の渓流で戦う5匹…

第三の目

なんだかオカルトチックなタイトルですが、超能力とか神通力の話はしません。では何が第三の目なのかと言うと、実は私最近カメラを購入しました。型落ちの中古品ではありますが、初めての一眼レフカメラです。 両の目に次ぐ第三の目の実力や如何に?というこ…

キジムナー再び

ここ最近干潟ネタが続いたので今回は川のハゼでいきます。今日のハゼは昨年の秋頃にも当ブログに登場したキジムナーこと赤いヨロイボウズハゼです。 昨年の9月に見て以来、また見ることができないかと探していたのですが、今年は中々ヒットせず外し続けてお…

キララハゼ属 ver.2.0

昨日ペースを上げると書きましたので早速更新します。今回は、今から1年と8か月ほど前にちょこっと紹介したキララハゼ属について何種か追加で写真を載せてみたいと思います。 まずは以前にも紹介したセイタカスジハゼ Acentrogobius signatus の追加写真から…

オヤジくさい?ハゼ

前回、短い記事をなるべく頻繁になどと書いたので、頑張ってペースを上げていきたいです。これ以上何かちょうどよい前置きも思いつきませんので早速本題に移ります。 今日のハゼは、ハラマキハゼ Psilogobius prolatus です。腹巻きと言うと、変なおじさんや…

鶏冠は君に輝く

この広告は、90日以上更新していないブログに表示しています。だそうです。前回ぼちぼち投稿するようにしたいなどと書きましたが、ダメでした。 放置ブログの烙印を押されてしまった。 このブログを放置していた数か月の間に、世の中は新型ウイルスに引っ掻…

新兵器の力

前回の投稿から5か月ほど経ってしまいました。ブログ名から"日"の字を削除することを検討した方が良いレベルかもしれません。卒論も一段落ついたのでぼちぼちするようにしたいと思います。できるか分からないけど… さて今日は最近導入した新兵器ヤビーポンプ…

台風の置き土産

昨日は大荒れの天気だった沖縄も今日はだいぶ大人しくなりました。中南部中心に発生していた停電もおおむね復旧したようです。道端を見ると折れた枝や飛ばされてきたゴミが溜まっているところもありますが日常が戻ってきた感じがします。 天気も落ち着いたの…

やんばるの森のキジムナー

台風17号思っていたより強いですね。一時は沖縄島中南部を中心に4万戸以上が停電していたようですが、幸いにも我が家は無事でした。停電はせずとも外は大荒れの天気で家に籠るほかないので、この放置ブログを更新しようと思います。 今日紹介するのはキジム…

命の洗濯

長らく続いた忙しき日々もようやくひと段落しました。少し時間に余裕ができたので、昨日は渇いた心を潤すべく久々にボウズハゼ達を観察してきました。今回はその事について書こうかと思います。 天気予報では曇り時々雨とのことでしたが予報は外れていい天気…

忙しき日々

最後の更新から早百日。日記などと銘打っておりますが、最早月報ですらない為体。ご無沙汰しております。あまり元気ではありませんが生きています。ここの所忙しく、ほとんどフィールドにも行けていません。8月まで続くこの忙しさ、どうにか乗り切ってボウズ…

可愛いを作る角度

以前妹から聞いたのですが、自撮りをする時は斜め上から撮ると可愛く写るんだとか。思い返してみれば観光地などでスマートフォンを空に掲げ何やらポーズをとる人々があちらこちらに… 思い出は少しでも美しく、人々の涙ぐましい努力が生んだ奇妙な動きなので…

平たいアイツ

ご無沙汰しております。最近何かと忙しく長らく放置状態の当ブログですが、久々に更新したいと思います。忙しいとはいいつつも、何だ彼んだフィールドに出る機会はあったのでネタはたっぷりあります。やっと時間が取れたのでちょいちょい紹介していきます。 …

ニライカナイからの旅人

ニライカナイとは琉球列島各地に伝わる伝説の地。そんな伝説の地をその名に冠するハゼがいます。ニライカナイボウズハゼ Stiphodon niraikanaiensis です。このハゼは5年前の2013年に記載されたハゼで、現時点では沖縄島でしか見つかっていないとされていま…

プリンセスにリベンジ

以前ヒメハゼ属について書きましたが、実はあの時もう一種類紹介したい奴がいたんです。しかし、そいつは輸送中に忽然と姿を消し、写真一枚たりとも残せませんでした。奴にリベンジを果たさんと、いそうな場所をちょくちょく探していたのですが、なかなか見…

10月の夜

最近バタバタしていてあまりフィールドに行けず、元気がなくなってきたので10月に行った夜磯のことでも振り返ろうかと思います。 この日は久しぶりの磯歩きでした。多分4カ月ぶりくらいでしょうか?ワクワクしました。 まんじゅうこわい まず目についたのは…

トントンミー

最近、私の所属する研究室にベトナムからの留学生の方がやってきました。その方はベトナムや長崎でトビハゼの研究をしているそうです。これも何かの縁だと思うので、今日は沖縄のトビハゼ類、トントンミーについて書いてみます。 沖縄でハゼを意味する言葉と…

大波乱の西日本遠征 5日目&6日目

遠征もいよいよ5日目。この日は京都のF先輩と一緒に琵琶湖流入河川へ行きました。 道中のコンビニからみた山 内地を感じる 天気はばっちり、爽やかな夏空でした。京都から山道を越えて滋賀へ。道中の風景も杉林など内地らしいもので懐かしさを覚えました。ほ…

大波乱の西日本遠征 3日目&4日目

2018年7月7日、この日はR氏とともに琵琶湖へ。狙いはもちろんヤツ。確認するたびにみるみる上昇していく琵琶湖の水位に、一抹どころか百抹くらいの不安を抱きつつ一路滋賀県に向けて北進。出発時は弱かった雨が京都・滋賀の県境付近から急に本降りに… 今更引…

大波乱の西日本遠征 1日目&2日目

今までは魚について書いてきましたが、ここらで私の遠征の思い出について書いてみようかと思います。しかし遠征の目的はもちろん魚なので、内容は大して変わらないかもしれません。遠征シリーズの記念すべき第一弾は2018年7月の西日本遠征です。 2018年7月4…

プリンセス・ゴビー

ヒメハゼ、可憐な響きです。その名の通り小さくて主張しすぎない控えめな見た目をした可愛らしいハゼです。しかし可愛い見た目とは裏腹に中々厄介な連中でもあります。何を隠そうこのヒメハゼ属、同定が難しい上に和名の無い種が複数いるのです。“頭がやや尖…

神奈川の魚たち

神奈川は私の出身地であり、18年間暮らしてきた馴染み深い土地です。しかし大学進学を機に地元を離れるまでほとんどその魅力に気づいていませんでした。今では18年間のやり残しを埋めるべく、帰省の度に地元のフィールドに繰り出しております。今日は我が地…

サンゴの隙間

川のハゼ、干潟のハゼと続いてきたのでここらで海のハゼについて書こうかと思います。沖縄と言えば川でも干潟でもなくエメラルドグリーンに輝くサンゴ礁の海、多くの人がそう思うことでしょう。私自身沖縄に来たばかりの頃はそう思っていました。今日はそん…

キララハゼ属

キララハゼってかわいい名前ですよね。メルヘンチックでキラキラしてそうです。しかし名前とは裏腹にキララハゼの仲間はキラキラ輝く海ではなくドロドロした干潟にいます。ですが泥の中から現れるその姿は名前の通りキラキラしてます。 キララハゼ かわいい…

キバラヨシノボリ

クロヨシノボリの次はキバラヨシノボリ Rhinogobius sp. YB について書いていきます。クロとキバラは切っても切れない関係です。キバラヨシノボリは以前紹介したアオバラヨシノボリと同様に河川陸封型のヨシノボリで、奄美大島、加計呂麻島、徳之島、沖永良…

クロヨシノボリ

地元だと若干レアキャラ感があったクロヨシノボリ Rhinogobius brunneus ですが、沖縄では徒歩圏内でも見られる身近なヨシノボリです。普通種だからこそササッと観察できて、日常で疲れた心を癒してくれます。 大学構内の側溝にて撮影 最も身近なクロヨシノ…