イーブーの観察日記

ハゼを中心とした雑多な記録です

可愛いを作る角度

 以前妹から聞いたのですが、自撮りをする時は斜め上から撮ると可愛く写るんだとか。思い返してみれば観光地などでスマートフォンを空に掲げ何やらポーズをとる人々があちらこちらに… 思い出は少しでも美しく、人々の涙ぐましい努力が生んだ奇妙な動きなのでしょう。私は自撮りをしたことがありませんし、そもそも写真に写るのはそこまで好きではないのでよく分かりませんが、“自分” を “ハゼ” に置き換えてみると納得できる行動かもしれません。“ハゼをいかに可愛く撮るか” 確かにこれは重要な課題。

 人が可愛く見える角度があるように、ハゼが可愛く見える角度もまたあります。人それぞれ好みがあるとは思いますが、私は正面顔こそ至高であると声高に主張します。ハゼの顔は、眼が突出していたり、唇が分厚かったりと他の一般的な魚に比べて立体感があります。一般的な魚を正面から撮れば平べったくて何なのかよく分からない写真になってしまうことでしょう (単に私がハゼ以外の魚のことを知らなすぎるだけかもですが)。人間が斜め上から写真を撮るのも、正面から撮ると目や鼻筋などが目立たず平たい印象になってしまうからだそうです。しかし立体感溢れる顔の持ち主であるハゼにはそんな小細工はいりません。百聞は一見に如かずということでハゼの正面顔を見ていきましょう。

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オガサワラヨシノボリ

  まずはこの写真、ブログアイコンにもなっているオガサワラヨシノボリの正面顔です。ポカンと開いた口、どこを見ているのかいまいち分からない眼、あどけない感じがとてもキュートだと思いませんか?

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カワクモハゼ

 お次はカワクモハゼ。先ほどの写真と同様こちらも口がポカンと開いていますが、眼はあどけないと言うよりかはちょっと悪戯っ子な印象。よく見ると頭に砂粒がのっているんです。やんちゃな感じが可愛い!

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キララハゼ

 3枚目はキララハゼ。以前当ブログでも紹介したかと思いますが、なかなか獰猛な肉食系のハゼでその横顔はまるでギャング。しかし正面から見るとどうでしょう。何とも覇気のない困ったちゃん顔です。凶暴なハンターの意外な一面、可愛いですよね。

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厳めしい横顔 同じ個体とは思えない?

 あれやこれや書きましたが簡潔に書けば、“ハゼ最高” の一言に尽きます。角度によって様々な表情を見せてくれるハゼ。正面から見れば可愛く、横から見れば厳めしく、斜めから見れば凛々しい。こんなにも表情の豊かな魚は他にいないのではないでしょうか。皆さんもあらゆる角度からハゼを見つめてお気に入りの角度を見つけてみてください。