イーブーの観察日記

ハゼを中心とした雑多な記録です

キバラヨシノボリ

 クロヨシノボリの次はキバラヨシノボリ Rhinogobius sp. YB について書いていきます。クロとキバラは切っても切れない関係です。キバラヨシノボリは以前紹介したアオバラヨシノボリと同様に河川陸封型のヨシノボリで、奄美大島加計呂麻島、徳之島、沖永良部島、沖縄島、久米島石垣島西表島に分布する琉球列島の固有種です。アオバラがアヤから種分化したと考えられているのに対して、キバラはクロから種分化したと考えられています。同定が容易なアオバラと違って、キバラはクロとよく似ているうえに、島や河川ごとに微妙に見た目が異なり同定はなかなか難しいです。

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沖縄島のとある河川の源流域にて お腹が黄色い

 私はキバラヨシノボリの顔が好きです。眼から吻にかけてと眼の下に入る赤色帯がまるで隈取のように見えます。クロヨシノボリの場合特に目の下の赤色帯が弱く、この顔の派手さはキバラならではでしょう。島や河川ごとの違いもキバラ観察の醍醐味です。アオバラの場合もそうですが、次はどんなキバラを見つけられるか想像するだけでワクワクしてきます。

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1枚目とは別の河川の 何となく面長な気がする ちょっとクロっぽい?

 もっと様々な場所でキバラヨシノボリを見て“キバラ眼”を高めていきたいものです。