キララハゼ属
キララハゼってかわいい名前ですよね。メルヘンチックでキラキラしてそうです。しかし名前とは裏腹にキララハゼの仲間はキラキラ輝く海ではなくドロドロした干潟にいます。ですが泥の中から現れるその姿は名前の通りキラキラしてます。
まずはキララハゼ Acentrogobius viridipunctatus からいきましょう。このキララハゼ、国外では中国やインドネシア、タイなど広範囲に分布するのに対して、国内では沖縄島の一部の干潟にしか生息していない珍しいハゼです。かわいい名前に似合わぬ強面の持ち主でガンガン魚を丸呑みにしていきます。軟泥の干潟に生息しており、泥中に巣穴を掘って生活しているようです。体側の緑色の斑点が非常に美しく、深い泥に浸りながら干潟を歩いた末に、このハゼが目の前で巣穴から飛び出してきた時は輝くその姿に感動しました。
次はツマグロスジハゼ Acentrogobius sp. です。かつてはスジハゼAと呼ばれていました。(スジハゼBとCはそれぞれスジハゼとモヨウハゼと言う和名が付きました。)腹鰭の先端(つま)が黒いのが和名の由来だそうな。干潟の澪筋などをガサガサしているとよく見かけます。普通種ですがタモ網に入るとキラキラ光ってなんだか嬉しくなります。
またツマグロスジハゼ?そう思われた方もいるかもしれませんが別の種類です。こちらはセイタカスジハゼ Acentrogobius multifasciatus です。ツマグロに比べて体高が高いのが特徴です。また、腹鰭の先端は黒くない、臀鰭の鰭膜に黒い線が入るなどの点も本種とツマグロの違いです。ツマグロに比べると出会う頻度は低い気がします。数匹ツマグロを採ると1匹セイタカが混じるくらいの感覚です。
これら3種の他にもまだまだ沢山のキララハゼ属魚類がいます。個人的にはホホグロスジハゼとモヨウハゼが見てみたいです。もっともっとフィールドに出ないといけませんね…