イーブーの観察日記

ハゼを中心とした雑多な記録です

台風の置き土産

 昨日は大荒れの天気だった沖縄も今日はだいぶ大人しくなりました。中南部中心に発生していた停電もおおむね復旧したようです。道端を見ると折れた枝や飛ばされてきたゴミが溜まっているところもありますが日常が戻ってきた感じがします。

 天気も落ち着いたので、今日は朝から各地の海岸を巡り、打ち上げられた魚類を拾いに行ってきました。今回の台風は昨年の24号に比べると勢力は弱かったものの、本島の西側を通過したために風はそこそこ強く、流れ藻だらけの海岸もちらほら。結局めぼしい魚は1匹しか拾えませんでしたが、初見の魚で嬉しかったので紹介しようと思います。

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爆発しそうなお腹

 こちらが本日の戦利品です。激しい波に晒されたためか、背鰭と臀鰭と尾鰭がかなり欠損しています。さらに腸の内容物の腐敗が進み始めているようで、お腹がはち切れんばかりに膨らみ、体全体が反り返ったような形になっています。しかし、色は比較的綺麗に残っているように思えます。また、カエルアンコウの仲間の特徴である疑似餌も健在です。

 カエルアンコウ科の魚は今までに、ハナオコゼとカスリカエルアンコウの2種を見てきたのですが、この個体がそのどちらでもことはすぐに分かりました。さていったい何者かとワクワクしながら近くのコンビニで氷を購入し、氷冷しながら急いで大学へ持ち帰りました。しかしここからが問題です。大学に帰り着き、魚類検索を引っ張り出して検索表を辿って行くと、とある選択肢で躓きました。“背鰭と臀鰭の鰭膜後端が尾鰭基底とつながるか否か” という旨の選択肢なのですが、ちょうどこの3つの鰭が欠損しているため何とも判断し難い状態になっているのです。ちなみに Yes ならウルマカエルアンコウ、No ならベニカエルアンコウに落ちます。

 私は、疑似餌の色と形状等も含めて、ウルマカエルアンコウではないかと考えているのですが、皆さまはいかかでしょうか?私はこう思う等のご意見がございましたら是非お寄せください。