大波乱の西日本遠征 3日目&4日目
2018年7月7日、この日はR氏とともに琵琶湖へ。狙いはもちろんヤツ。確認するたびにみるみる上昇していく琵琶湖の水位に、一抹どころか百抹くらいの不安を抱きつつ一路滋賀県に向けて北進。出発時は弱かった雨が京都・滋賀の県境付近から急に本降りに… 今更引き返すわけにもいかないので迷わず前進。
昼頃には琵琶湖到着、雨は再び小雨となり何とか歩けそうな雰囲気。意を決して車を降りて準備開始。いざ琵琶湖、湖畔の茂みを抜けた先に待ち受ける光景や如何に…
一目見た瞬間絶望しました。ダメもとで岸辺の岩をガサガサしてみましたがもちろんスカ。こんな状態で魚なんか採れるわけなかろう。ここまで来たのにこんな結果はあんまりだ。己の運の無さを恨みつつ、先日R氏が採集したポイントへ移動。そこは湖に繋がった小さな農業用水路というありがちな風景。本当にここにヤツがいるのだろうか?という疑念を抱きつつ水路内部へ。しかし中々ヤツは現れませんでした。
このままでは惨敗だ、焦燥感に駆られた私は兎に角必死にガサガサしました。濁りきった水路の中でもがく気分はまさに五里霧中。やはりこんな状況で遠征したのが間違いだったのだろうかと内心諦めはじめたその時、R氏のタモ網に青く輝くヤツが入りました。その直後私の網にも遂にあのヨシノボリが降臨。
やりました、ビワヨシノボリ Rhinogobius biwaensis です。タモ網の中に青く煌めく魚が見えたあの瞬間の感動と興奮は一生忘れられません。1匹採れると次から次へと網に入ります。豪雨の影響により水路の水位が増して、水路のより奥の方までビワヨシ達が進出していたようです。致命的と思われた豪雨が大量のビワヨシとの出会いをもたらすという予想外の結果に。
何と呼ぶべきかよく分からないのでとりあえず旧オウミとしておきましょう。関東にも国内外来種として侵入していると聞きますが、関東で見るのは何か違うと思います。地名をその名に冠しているからにはその地で見てみたくなります。オウミを近江で見るというのはこの遠征の目的の1つでした。
ヨシノボリ以外にもいろいろ見ることができました。まずはウツセミカジカ Cottus reinii。ウツセミって名前がかっこよくて好きです。
続いてカネヒラ Acheilognathus rhombeus。人生初のタナゴ類でした。実はタナゴより先にタナゴモドキを見ています。
これらの他にスナヤツメ、ニシシマドジョウ、ドジョウなどを見ることができ、予想外の成果に大満足の一日でした。
4日目は岐阜県へ。狙いは濃尾平野に住むあのヨシノボリです。天気はすっかり回復して暑いくらいでした。しかし大雨の影響は甚大で、行く予定だった木曽川周辺は大増水。仕方なく小さな水路巡りに切り替えることに。けれども見つかるのはフナ、ミナミメダカ、ドジョウばかり。無常に過ぎていく時間。夕暮れ間近ラストチャンスで入った水路でようやくヨシノボリが現れました。
網に入ったのはカワヨシノボリ Rhinogobius flumineus でした。大雨で本流が大増水していたため今回は諦めていたのですが、水田近くの小さな水路で遭遇。なぜこんな場所で!?とちょっとビックリ。本命ではありませんでしたが、初めて見ることができて嬉しかったです。
水路のそばでアカハライモリも見つけました。沖縄のシリケンイモリに比べて圧倒的に小さかったです。ペットショップでしか見たことがなかったので感動しました。
結局本命には出会えずこの日は撤退。前日が盛り上がっただけにちょっと不完全燃焼な一日でした。